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初芝橋本は選手権出場校で唯一、近畿4強。今年昇格のプリンス関西へ準備を進める

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切れ味鋭いドリブルなどが特長の10番MF河崎慶二は、新生・初芝橋本高の中心選手

[2.20近畿高校選手権準決勝 近大新宮高 0-0(PK3-2)初芝橋本高 紀三井寺公園球技場]

 和歌山の名門・初芝橋本高は近大新宮高との同県対決で1点を奪うことができず、0-0からのPK戦で敗戦。試合後、選手たちはがっくりと肩を落とし、なかなか切り替えることができていなかった。阪中義博監督はその姿勢を指摘。「落ち込むところちゃうと思うで」と言葉を掛けたが、2時間後の3位決定戦も0-4で敗れ、第76回近畿高等学校サッカー選手権大会<男子の部>を4位で終えた。

 初芝橋本は、今大会初戦で奈良1位の奈良育英高に3-1で快勝。FW後藤恒之介(2年)の2ゴールとU-17関西トレセンメンバーの10番MF河崎慶二(2年)のゴールでまず1勝を挙げた。

 続く、近大附高(大阪)戦は自分たちのペースに相手を引き込み、被シュート3本で無失点。9人目までもつれ込んだPK戦を制し、選手権出場校で唯一の近畿4強入りを果たした。準備期間が短い中、泥臭く戦って2勝。チームはさらに12大会ぶりの決勝進出を目指したが、準決勝で悔しい敗退となった。

 準決勝の前半はプラン通りの0-0。後半は相手が攻め切る前に「だいぶ、ようなってきた」(阪中監督)というDF中野倖太郎(2年)らDF陣やMF角野有右斗(2年)がボールを奪い返し、攻撃に結びつけた。

 そして、チームのスイッチ役、河崎の運ぶドリブル、展開、そして両翼のスピードを活かした攻撃からチャンスを作りかけていたが、仕掛けに入る前にミスが散発。また、阪中監督が「最後思い切ってバチンって打ちに行くとかやったらいいのに。何かやっぱり手堅く行こうかな、みたいな感じで」と残念がったように、大胆にゴールへ向かうような姿勢が欠けていた。

 CKの本数を増やし、182cmFW四元大悟(2年)らがゴールを目指すも、決定打を撃ち込むことができない。GK江田悠輝(2年)を含めた守備陣は無失点で終えたものの、最後まで1点を奪うことができず、PK戦で敗退となった。

 怪我で不在の選手が複数いたことも確かだが、和歌山県予選、近畿大会を通して泥臭く戦い、前後半をやり切る力も見せた。だが、1勝した今冬の選手権から先発11人が入れ替わったチームは、得点力不足などの課題も。結果を受け止め、まずは今年から昇格するプリンスリーグ関西2部への準備を進める。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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