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[新人戦]立正大淞南が0-2から逆転勝ち。高速レフティーMF山田都愛「次の試合もどんどんやって行こうと思います」

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立正大淞南高はMF山田都愛が右サイドで突破力を発揮

[3.15 中国高校新人大会1回戦 立正大淞南高 3-2 山口県鴻城高 広域補助]

 第16回中国高等学校サッカー新人大会が15日に広島県内で開幕した。立正大淞南高(島根3)対山口県鴻城高(山口3)戦は3-2で立正大淞南が逆転勝ち。立正大淞南は16日の準々決勝で米子北高(鳥取1)と戦う。

 立正大淞南の南健司総監督は「色々なことで甘いことは通用しません、公式戦では。ということが分かったと思う」。選手たちは、真剣勝負で貴重な気づき。2点を先取され、思うように得点を奪えなかったが、また次の1試合を戦うチャンスを勝ち取った。

 前半3分、山口県鴻城はFW山田純大(1年)が左サイドから仕掛けてクロス。捕球しようとするGKの前にFW中村俊介主将(2年)が勇気を持って飛び込み、ゴールへ押し込んだ。

 先制された立正大淞南は登録159cmのボランチ、MF西田樹(2年)らがボールを奪ってから素早い攻撃。181cmCB高麗空飛(2年)が正確な左足フィードを前線へ配球したほか、攻撃の中心・MF山田涼斗(2年)が仕掛けて右足シュートを打ち切るなど反撃する。

 だが、次の1点も山口県鴻城が奪う。14分、中盤右サイドで前を向いたMF清水登翔(1年)が対角のパス。中村が俊足を活かして追いつくと、切り返しからの右足シュートを決めて2-0と突き放した。

 山口県鴻城は中村、山田の2トップが存在感。DFが準備する前に仕掛けて突破し、ゴール前のシーンを作り出す。だが、立正大淞南は21分、FW岩槻大雲(1年)とFW郷原巧実(2年)が連続で強引な仕掛け。郷原が自ら獲得したPKを右足で決め、1点差とした。

 立正大淞南は後半7分、同点に追いつく。右サイドで推進力のある動きを見せていたSB禹導勳(1年)が前線へボールをつけると、交代出場FW北川天晴(2年)がゴールへ向かうタッチから右足シュートを突き刺した。

 立正大淞南はパワフルなMF豊田寛太(1年)や山田涼らが繰り返し攻め続けて、ビハインドを取り戻した。中でも、南総監督が「ドリブルの加速力があると思う」と評する左利きのドリブラー、MF山田都愛(2年)が目立つ動き。「自分はスピードがあるので、もうぶっちぎれると思って思い切って縦行ったり、相手の重心を見ながら臨機応変に。(今日は)前半から上手く自分が絡めない中で、『後半、絶対自分でやってやろう』という気持ちで行ったんですけど」という山田都はチーム屈指のスピードを活かしてDFの前に出るなどゴールへ迫る。

 その立正大淞南は12分、山田涼の左CKのこぼれを高麗が拾い、豪快な左足シュートで3-2と試合をひっくり返した。この日、立正大淞南は注目MF三島拓人主将(2年)を欠くなどベストの陣容ではなかったが、CB三島典征(2年)らDF陣が後半は改善するなど初戦突破。山田都はドリブル、パス交換からゴールへ向かう動きを見せた一方、自分が得点を取れなかったことを悔しがっていた。

 山田都は沖縄のEAC FC出身。「2個上の先輩が淞南選んでいて、選手権も見たことがあって気になって、練習会参加してみて、良かったので選びました。サッカーに打ち込める環境が本当に揃ってる高校なので、選んで良かったと思います」。2年間でメンタリティーの部分や体力面などで成長。昨年は下のカテゴリーのチームでも結果を出せなかったというが、意識して強度を高め、公式戦で存在感を放っている。

「今年一年は、自分としても、チームとしても結果にこだわって、(選手権で)国立の舞台に戻れるように、もっと結果にこだわってやっていくこと。自分が絶対に決めてやるという気持ちで次の試合もどんどんやって行こうと思います」。公式戦でできることを増やし、結果に結びつける。

前半14分、山口県鴻城高FW中村俊介主将が右足で2点目のゴール

後半7分、立正大淞南はFW北川天晴が右足で同点ゴール

後半12分、立正大淞南は181cmCB高麗空飛が左足で決勝点

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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