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浦和MF小泉佳穂は最前線プレスで相手の攻撃を抑制「人生で一番きつい45分でした」

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MF小泉佳穂

[5.6 ACL決勝第2戦 浦和 1-0 アルヒラル 埼玉]

 アジア制覇に安堵の表情を浮かべた。浦和レッズのMF小泉佳穂は「準優勝ではほとんど意味がないと思っていた」と優勝の価値を説く。「本当に天と地だと思っていたので、準優勝ではなく優勝で終われてよかったという気持ちが一番すごく感じました」と喜びを嚙み締めた。

 敵地での第1戦はアウェーゴールを決めて1-1のドロー。第2戦ではまず失点を防ぐことを最優先に考える中、アルヒラルの攻撃を浴びた前半45分だった。小泉も「人生で一番きつい45分でしたね」と振り返る。相手は後方の枚数を増やしてボールを回す中、小泉はFW興梠慎三とともに最前線で相手にプレスを仕掛けた。

「僕が相手の4、5枚を、コース消しながら走り回って、ちょっとでも制限するしかないなと思っていた。特に今日は向かい風がすごかったので、なかなか押し上げることも難しくて、本当にしんどかった」。一度かわされても何度も食らいつく。最前線で相手の動きを封じることで、中盤、後方の動きに連動性を与えた。「(西川)周作さん、バックライン、中盤、全員含めて、前半を0点で抑えられたことが、ACLが取れた一番の要因かなと思います」と勝因を分析した。

 約3シーズンをまたいで行われたアジアの戦いは「とにかく長くて、ゴールが見えない戦いだったので、そこでテンションを保ちながら戦うというのはすごく難しかった」という。持ち前の攻撃的センスの発揮には「もう少し力になりたかった」と本音も。苦しい中でも小泉を奮い立たせたのは、浦和の魂を持った人たちの熱だった。

「浦和のファン・サポーターの人たちと、浦和に長年いる、周作さん、慎三さん、ユースで育っている関根くんとか(伊藤)敦樹とか、長い間浦和を背負ってきて、タイトルに懸ける思いが人一倍強い人たちのエネルギーにすごく巻き込まれて戦えた。チームとしての活動が本当に一番なので、とにかく優勝できてほっとしています」

 ACLの頂点には立ったが、今シーズンの戦いはまだ前半戦だ。小泉は「多少なりとも貢献してきている自負はありますけど、本当に力になりきれていたかなというところは少し疑問は残る」とACLの出来を総括。その上で、残りのシーズンでのさらなる活躍を誓う。「その疑問は、ACL優勝した後でもいいエネルギーに代わってできそうな気がする。いったんリーグに切り替えて、一からやっていけばいいかなと思います」と気持ちを切り替えていた。

(取材・文 石川祐介)
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