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天皇杯ドロワー務めた森保Jコーチ陣「PK決着は酷だと思うけど…」「A代表、W杯にも絶対に役立つ」

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名波浩コーチ、中野雄二天皇杯実施委員会、前田遼一コーチ

 日本サッカー協会(JFA)は4日、東京都内の新JFAハウスで第103回天皇杯の準々決勝以降の組み合わせ抽選会を行い、ともに2004年のジュビロ磐田で優勝経験を持つ日本代表名波浩コーチと前田遼一コーチがドロワーを務めた。

 名波コーチはこの大会での選手の活躍に向け、「このカップ戦で得た自信というのはリーグ戦なり、代表チームに選出されるかされないかとか、ヨーロッパの舞台でプレーできるかできないかといった物差しになってくる。残り3つだけどうまく活かしながら今季はもちろん、自分の良い未来を描けるようにやってほしい」と期待を述べた。

 抽選会ではヴィッセル神戸ロアッソ熊本アルビレックス新潟川崎フロンターレアビスパ福岡湘南ベルマーレ柏レイソル名古屋グランパスの組み合わせが決定。12月9日に国立競技場への決勝戦に向けてのトーナメント表が定まった。

 名波コーチはJ1首位の首と、唯一のJ2勢となった熊本との対戦に注目。「熊本のホームで戦える。ミッドウィークなのでリーグ戦も前後にあるという意味で面白い組み合わせになる。神戸は攻撃陣の破壊力を取り上げられがちだが、守備も安定してきているので、ロアッソがホームでどれだけ暴れられるかがキーになる」と展望を語った。

 また前田コーチは「どの試合も楽しみだけど、新潟とフロンターレは攻撃的なチーム同士の戦いなので楽しみ」と期待。自身は天皇杯について「レギュラーシーズンでは出番がなかったけど、天皇杯ではチャンスをもらって、リーグ戦でも出場時間を伸ばすことができたので思い出深い大会」だといい、「若手選手はチャンスが必ず来るのでチャンスを掴めるように準備して戦ってほしい」とメッセージを送った。

 天皇杯はホーム&アウェー方式で決勝トーナメントを行うルヴァン杯とも異なり、全試合が一発勝負。名波コーチは指導者目線で「延長PKもあるというところまで考えてチームを作らないといけない難しさもある」と指摘しつつも、「リーグ戦でうまくいかず取り返してやろうという選手もいるし、出場機会がなくやってやろうという選手もいる。勝ち上がることによってチームの輪が大きくなり、モチベーションとしても上に行けば行くほど良い大会になる」とメリットを口にした。

 また天皇杯といえばPK戦の対策も重要。昨年度の決勝でも甲府が広島にPK戦で勝利しており、今大会でも3回戦で3試合、4回戦で1試合がPK戦で決着していた。昨年末のカタールW杯では日本代表がクロアチアにPK戦で敗れ、日本サッカー協会としても強化の取り組みを行っている中、Jクラブにとっては天皇杯が貴重な実戦機会となる。

 名波コーチはPK戦について「僕もあまりPKが得意じゃなかった。でも今回のセレッソで言うと5人目、6人目で決めておけばというところで外れて勝ち上がりを逃したということを考えても、PKの技術向上というのは後のA代表、各カテゴリのW杯にも絶対に役立つので、やっておかなければいけないことだなと思う。そういう大会が100回以上続いているのも永久的に継続していかないといけないと思う」と話した。

 また前田コーチは「僕自身も名波さんと同じようにPKが得意だった選手じゃないけど、こういう天皇杯という舞台でPKを経験することが日本代表、W杯といった大舞台でもPK戦で力を発揮し、結果を残すことができることにつながるかもしれない。PK戦で勝敗がつくのは酷だなと思うけど、選手にはプラスに捉えてやっていただきたいと思う」と述べた。

(取材・文 竹内達也)
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