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負傷続いた冨安健洋、プレミアで痛感した“80%”の重要性「手を抜く感じで捉えてほしくないけど…」

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日本代表DF冨安健洋

 日本代表DF冨安健洋は2019年以降、代表活動とリーグ戦との連戦により、度重なる負傷に悩まされてきた。アーセナルに加入した昨季はプレミアリーグ初挑戦ながら序盤から主力に定着した一方、両ふくらはぎと右足ハムストリングの怪我で複数回の離脱を経験。「1シーズン通してプレーできる状況ではなかったのは、一人のサッカー選手としてまだまだやらないといけないことがあるということ」と反省を語った。

 そこで痛感したのは、プレー強度の“メリハリ”の必要性だという。

「常に100%、120%の力でやるというところを、80%くらいの力で。手を抜くわけではないけど、うまくやらないといけない。他の選手を見ていると最後までつったりしないし、高いインテンシティを持ったままやり続けている選手ばかり」。この課題は「プレミア1年目なので予想していたし、他の選手も通っている道」だという。

 それでも向上心を見せた冨安は「先のシーズンに向けてという意味では、80%くらいの力で(できないといけない)。ただそれは100%の力が高いレベルにないとできないことなので、まずは100%の力を高い位置まで引き上げたい」と力説。「表現が難しい。手を抜く感じで捉えてほしくないけど……」と前置きしつつ、「周りを見ているとそんな感じなので」とプレミアリーグの強度で戦い抜く厳しさをのぞかせた。

 今回の代表活動では5月30日の合流当初は軽いジョギングなど最低限の調整にとどめていたが、徐々にボールを使うようになり、キックの距離を伸ばし、方向転換の伴うメニューにも取り組んできた。そして8日からは全体練習の鳥かごに入るなど、対人の競り合いのみを避けた部分合流を達成。13日には初めてフルメニューをこなし、順調な回復ぶりを見せていた。

 今年1月以降の負傷歴を振り返った冨安は「ふくらはぎの時は苦しんで、何をしたらいいかわからない状況で、かなりしんどかった」としつつも、「そこからいろいろと試行錯誤して、今回はハムストリングを怪我したけど、怪我をした場所が変わったという意味で使う場所が変わったということ」と指摘。「体の使い方がいい方向に変わってきているとポジティブに捉えたい」と前を向いた。

 そうして近づく復帰の時。カタールW杯本大会を見据えた冨安は「レベルの高い選手が揃っているし、はっきりこれが足りないというのは言える立場でもない。見つけるのが難しいくらいではある」と現在のチームの完成度に手応えを述べつつも、自身がさらなる上積みを行うべく「W杯ではドイツ、スペインと同じ組で、アジアでやっている相手よりも数段レベルが上がるので、普段プレミアでやっている経験値をチームに還元できれば」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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