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日本vsクロアチア 試合前日の森保一監督、DF長友佑都会見要旨

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森保一監督とDF長友佑都(FC東京)

 日本代表は5日、カタールW杯決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦する。史上初のベスト8入りをかけた大一番。森保一監督とDF長友佑都(FC東京)が4日、メインメディアセンターで公式会見を行った。

 以下、試合前日の会見要旨


森保一監督
「まずは厳しいグループリーグを突破して、明日の決勝トーナメントのクロアチア戦に臨めることを非常に楽しみにしている。グループリーグ第3戦からの準備期間、選手たちは非常に落ち着いて、いい準備をしてくれている。明日の試合も非常にタフで、激しく厳しく難しい試合になると思うが、選手たちにはこれまで積み上げてきたものを、明日の試合でもいい準備をして、思い切って、自分達のプレーを発揮してもらえたらと思っている」

●DF長友佑都(FC東京)
「僕たちはスペイン、コスタリカ、ドイツという厳しいグループを1位で突破してここにたどり着いた。自分たちの力に自信を持っているし、自分たちなら絶対にやれると思っている。これまで日本サッカーはこのベスト16の壁を破ったことがなく、自分自身も今回が4度目のW杯だが、2回この壁に乗り越えるために挑戦し、悔しい結果になった。悔しさが心に残っており、最高の試合と最高の結果が得られるように、そして日本サッカーの歴史に黄金の1ページを刻む。その意気込みで必ず勝ちたい」

―お二人とも前回のベルギー戦を戦った。あの試合を覚えているか。またここまで戦ってきた中であのベルギー戦、前回の悔しさはどう活かされているか。
森保「ロシアW杯でもこのベスト16の壁を破るというチャレンジをした中、十分にベスト8に行けるだけのチームでの戦い方はできていたと思っている。しかしながら結果的にラウンド16で大会を去らなければいけなくなった。気持ちの部分で悔しさはコーチングスタッフの一人として持っている。その戦い方の部分において、1コーチとしてできたこと、戦術的に監督への助言であったり、戦い方の中であの経験があったからこそ、いまのチームに成果と課題を活かしていこうということで、今回のカタールW杯に向けてのチームづくりをしている。ロシアW杯のベルギー戦だけの悔しさでカタールW杯に臨んでいるわけではない。日本サッカーの全ての歴史の積み上げ、特にW杯に6大会出てきて、その中で経験した素晴らしい積み上げをこのチームに活かしていく、戦いに活かしていくことをこれまでもやってきた。明日の試合はこれまでの日本サッカーの積み上げと、選手たちがこのチームで積み上げてきてくれたこと、隣の佑都は悔しさを持って、明日の試合に自分の成長につなげるため戦ってくれると思うが、この経験を知らない選手もいる。いずれにせよ明日の試合は勝つために戦うこと、これまでの積み上げから、これからの成長を試合の中でできるように、そういった戦いにできれば」

長友「ベルギー戦を忘れたことはない。ずっと自分の心の中にあるし、ふとした瞬間に最後のカウンターが頭をよぎることが何度もあった。正直、この4年間は苦しい思いのほうが強く、カタールW杯にかける思いが強かったので苦しかったけど、苦しさをみんなで乗り越えて、みんなが心技体全てレベルアップしたと感じている。僕は2008年から15年間、この代表でプレーさせてもらっているが、確実に僕が見ていて言えるのは、確実に歴代最強のチームだなと。最強のチームだと自信、誇りを持って言えるチームに育ってきたと言える。なので明日は必ずクロアチアを破って、みんなで新しい景色を見たい。そしてまた大きな声で『ブラボー!』と叫びたいと思っている」

―試合のプラン、戦い方、PKまで行くとか、交代枠はどう考えているか。
森保「毎回そうだが、選手のコメント力が素晴らしすぎて、私が喋るのが難しい状態になっているが、そこは自分らしく固くいきたい。明日の試合ということで、まずは総力戦ということでチームの総合力として戦っていきたい。120分間の試合を考えると、交代枠が5+1の6人あるし、明日の試合もチーム全体で試合をつないで、われわれが明日の試合をモノにすることをやっていきたい」

―長友選手は勇気を若い選手に伝えてきたんじゃないかと思う。若い選手たちがたくさんいるが、もう一度、どんなふうに何かを伝えたいか。
「この最初のドイツ戦の前にみんなをイタリア語で『コラッジョ』、勇気、勇敢さという意味なんですが、大声で一人一人と握手しながらみんなにコラッジョを注入した。コラッジョのプレーをみんなが体現してくれている。もちろんスタメンから出る選手も、途中から出る選手も、僕はピッチにいる時もベンチにいる時も3試合とも経験したが、ベンチの雰囲気もかなり良くて、本当にチーム一丸となって戦えていると感じている。これが今の日本の強さだなと。どのチームよりも一丸となって戦えている。それが僕らの強さだと思う。僕が今更コラッジョを伝えなくても、みんなが持っている熱い闘魂で、熱いプレーを見せられると思う。みなさん楽しみにしていてください。勝ちます」

―ベルギーに前回W杯で敗退したが、日本のチームが進化した主な点は。
森保「進化したのは選手個々のレベルアップだと思う。もともと日本の良さである組織力、和の力をもって戦うということはチーム作りのなかで考えてきたが、選手個々の能力がなければ打ち勝っていくことはできない。4年間で一番感じているのは、戦術的なところの積み上げがある中でも、選手個々の成長が一番大きいと思っている」

長友「僕自身も選手個人のレベルが上がっていると感じている。森保さんはこの4年間でたくさんの選手を使って、育ててきた結果がこの総合力につながっている。その選手個人のレベル、いま誰が出ても同じようなレベルであの戦いができているし、その強みはこの4年間で自分たちが得てきたと感じている」

―日本と韓国はよく戦ってきている。2026年のW杯に向けて、日本はどのようにアジアに貢献していると思うか。
森保「まず日本がW杯で勝つためにというところで、自国の指導者養成、育成の強化を含めて日本のサッカーの環境づくりをやってきた。それと同時に日本サッカー協会としてアジア貢献、アジア全体のレベルを上げるということで、指導者をアジアの国々に派遣することでアジアのレベルアップに貢献することをやってきている。日本がアジアのレベルアップに大きな貢献をしていると思うし、実際にアジア全体のレベルが上がらないとこのW杯で勝つことがなかなか難しいなか、われわれ、韓国、昨日敗れてしまったがオーストラリアもアジアの戦いの中で力をつけていること、日本がアジアのサッカーのレベルを上げて、このW杯で勝っていくだけの力をつけていると思う。こうしてアジアの話を質問で受けたが、隣の長友佑都を含め、日本人の選手たちが世界の舞台で戦えるところ、勝っていけるというところを日本人の指導者、選手が自信に持ち、アジアの指導者・選手が自信に持ち、大きな夢や希望につながればうれしい」

―悲願のベスト8入りに必要なこと、ピッチ上で表現したいことは。
森保「長友さんに先に話されると自分のコメントがしづらくなると思うが、長友さんに先に…」

長友「コラッジョ、勇気かなと。勇敢に戦うことだと思っている。サムライの話にたとえて、サムライが戦いに行く時、技術とか武器を磨いても、いざ戦いになった時、敵を前にビビっていたら技術も武器も使い物にならなくなる。それはサッカーも同じで、戦術的なこと、技術的なことはもちろん大事だけど、いくらこの4年間で磨いてきたとしても、いざW杯の舞台でビビってしまったらその技術は絶対に活かせない。僕はそう思う。だからこそ今までこの4年間、僕たちが積み上げてきた戦術、技術を生かすためにも一番大事なのはコラッジョ、勇気だと思う。明日は勇敢に戦う、日本人の魂を世界中に見せたい」

森保「まずは明日の試合に勝つ、ベスト16の壁を破ることを志していた強い気持ちを持って、プレーしてもらうことが大切だと思う。試合中のプレーの中では勝つために必要な勇気を持って、勇敢に戦う、チャレンジする姿勢を持ってもらいたい。私自身が一番思っていることは、選手たちに自然体で試合に臨んでもらえるようにとも思っている。自然体というと全然力が入っていないように聞こえるかもしれないが、勝ちたい気持ちを強く持って、勇気を持って勇敢に戦う気持ちを絶対的に持ちながらも、普段やっていることを個人として100%発揮する、チームとしてお互いが支え合って一丸となって力を発揮することをやってもらいたい。スペインとの試合、ドイツとの試合でも見せてくれた、チーム一丸となってタフに粘り強く、最後まで戦い抜くということを選手たちは見せてくれている。自然体で力を発揮することによって結果は後からついてくることを示してくれた。まずは相手のことも大切だが、自分たちが持っている力を明日の試合でも出し切ること、そこを自然に考えて試合に臨んでほしい」

―サムライの魂というのはどれほど大事なのか。選手ともそのことについて話すのか。
長友「僕を筆頭にサムライの話はよくする。世界でもよく日本人はサムライと言われているし、勇敢に戦う姿が世界中にイメージできていると思う。その勇敢さを持って、明日は全世界に表現できる最高の機会。僕たちのサムライ魂を世界中の皆さんに見てほしい」

―クロアチアのチームについてどう思っているか。ベスト16でベルギーではなくクロアチアに当たってよかったと思うことはあるか?クロアチアの選手について考えていることは。
「できればクロアチアだけではなく、どことも当たらずに勝ち進んでいければいいなと思っている(笑)。クロアチアは世界的にもトップクラスの選手がいて、チームとしても前回のロシアW杯でファイナリストになった非常に素晴らしいチームだと思っている。もちろんわれわれは明日、勝利を目指して戦うことに変わりはないが、リスペクトしているチームでもある。チームの印象としては、非常に賢く戦える試合巧者だと思う。いろんな試合の流れに対応できるという部分。前回のロシアW杯でも延長戦が3試合で決勝に行っており、W杯でもグループリーグで0-0の引き分け二つと勝利ということで、我慢強さも持ち合わせて試合をものにできるチーム。難しい戦いになるが、強い相手だからこそ燃えて戦えると思う。戦いを楽しみにしている。クロアチアに関しては、私も選手や指導者を知っているが、Jリーグのサンフレッチェ広島の監督をしていた時、ミキッチ選手と一緒に仕事をしていて、彼と素晴らしい思い出ができたのでこの質問に答えたいなと。彼からいろんな情報が漏れないように。これはジョークです(笑)」

―グループステージだと前半は抑え気味、後半に攻勢という戦いをしてきた。延長戦、PK戦がある中で戦い方が変わってくると思うが、どう戦おうと考えているか。
「できれば理想は前半から相手を圧倒して、圧力をかけて戦いに臨みたい。このグループリーグ3試合も、入りはそういうところでできれば試合をコントロールして入りたいと伝えながらチームとしての戦いにつなげている。実際に理想を描いて相手を圧倒しようと思っても、相手が強いので、そういう時は我慢強く粘り強くということで、試合の流れを見ながら非常に賢く粘り強く戦ってくれたのがグループリーグだと思う。最初から守りだけの戦いはしたくない。勇気を持って勇敢に戦ってもらえるように準備していきたい。クロアチアさんもいろんな戦い方ができるチームなので、われわれも理想と現実を次の試合の中で常に持ちながら、最終的には試合をモノにできるような戦いをしてほしい」

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