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足を止めたリュディガー、走り切った浅野拓磨「ああいう積み重ねが絶対にW杯につながる」

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日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)

 国際親善試合ドイツ戦(○4-1)でダメ押しの3点目を決めた日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)が一夜明けた10日、報道陣の取材に応じた。MF久保建英(ソシエダ)からの“プレゼントパス”を決める形のゴールだったため「ほぼタケのゴール」と謙遜したが、常にゴールを狙い続けるストライカーとしての矜持を語った。

 ゴールは久保がDFロビン・ゴセンスからボールを奪ったのを起点としたカウンター。ドイツのDFアントニオ・リュディガーが諦めて戻るのを怠っていた一方、浅野はすぐにゴール前にスプリントを始めていたことが数的優位のゴール前につながっていた。

「僕としてはああいう場面をとにかくやり切るというところが自分の仕事だと思っているんで。あの状況で相手は休んでて、自分は走っているっていうところが、そういう結果に繋がっていると思う」

 カタールW杯でもドイツ相手から歴史的勝利を奪う決勝点を決めており、これでドイツから連続ゴール。ロシアW杯では出場権獲得に大きく貢献しながらも無念の落選を喫し、カタールW杯まで常にW杯のことを考え続けてきたストライカーにとって、ゴールシーンのような場面こそ真価の見せどころだった。

「これがW杯だったらどうなのかということをたぶん相手も思っているかも分かんないし、見てる人も思ってるか分からないけど、ああいう積み重ねが絶対にW杯であったり、また大事な試合につながると思う。僕はその積み重ねをやったからこそ、結果に出たかなと思うし、それを次につなげられるように良い準備をしていきたい」

 W杯に続いてのゴール、それもドイツのホームゲームで決めたことにより、現地では“ドイツキラー”としての知名度がさらに高まっている。また日本の勝利により、ドイツのハンジ・フリック監督が解任。昨年4月に浅野がボーフムで2ゴールを決めた試合後、その試合を視察したフリック監督に関する質問に「それは何?」と答えたというエピソードも再び脚光を浴びている。

 浅野はドイツ戦の特別さについて「僕自身そういうことは意識していない」と言う。それでも「ドイツでプレーしていてドイツの人から普段見られている中で、なおかつドイツ代表とドイツの地でやるという完全アウェーでもあったけど、自分のアピールにも100%つながる舞台での戦いだったかなと思う。そういうところで日本代表としてしっかり結果を残せたのは一つ、代表としての成長を見せられたと思う」と少なからず手応えはあったようだ。

 その一方で、後半にもう一つ訪れた決定機をGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンに阻まれた場面については「自分のチャンスで決め切らないといけない」と反省もあった。活かしたチャンスも、活かせなかったチャンスも含めて「やり続けるだけ」と浅野。12日のキリンチャレンジカップ・トルコ戦(ゲンク)に向けて「100%でプレーできるための準備を今日からやるしかないと思う」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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