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片言英語で助っ人に指示、装いはカジュアルに…町田・黒田監督のJデビュー戦

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黒田剛監督と直接話すFWエリキ

[2.19 J2第1節 町田 0-0 仙台 Gスタ]

 昨季まで青森山田高を29年間にわたって率いた黒田剛氏が、FC町田ゼルビアの監督としてJリーグデビューを飾った。初陣には高校年代でおなじみだったジャージ姿ではなく、紺色のセットアップとスニーカーというカジュアルな装いで登場。ピッチ内を見れば、コンパクトな布陣に支えられた堅守がプロの舞台でも健在だったが、新たなトライも行っているようだ。

 試合後の記者会見、青森の報道陣からファッションの意図について問われた黒田監督は「高校の時とは少し変えようかなと。深い意味ではきっちりスーツにするのも嫌だったので」と照れ笑いを浮かべながら返答。ジャージ姿でもスーツ姿でもなく、新たなスタイルで指揮を執っていく姿勢を示した。

 また指導スタイルも変化が出てきている。高校年代でも晩年は正木昌宣コーチ(現監督)らに一部指導を任せながら指揮していたが、プロは分業制が当たり前。かつてサガン鳥栖を率いた金明輝ヘッドコーチ、柏U-18を指揮した経験を持つ山中真コーチらにデータや戦術面の確認を委ね、指揮官は「個人にアプローチしながら見ていた」という分担をしているようだ。

 加えて気になったのは外国籍選手とのコミュニケーション。前半途中にはオーストラリア代表FWミッチェル・デューク、ブラジル出身のFWエリキをテクニカルエリアに呼び、身振り手振りを交えながら直接指導する場面も見られたが、留学生を除けば日本人選手ばかりの高校年代とは大きく異なる光景だ。

 記者会見でこのことを聞くと、黒田監督は「外国人なので通じているかわからないが……」と謙遜しつつ、「通訳を通じて言うよりも片言の英語で喋ったほうがいいかなというところだった」と説明。「デュークはエリキには少々英語でコミュニケーションを取れるようなので、エリキへの指示はデュークに言えばいい」とあっさり振り返ったが、ここでのプロ仕様の指導法にも積極的にトライしているようだ。

 一方、青森山田で代名詞だったロングスローは健在だった。この日はMF翁長聖がゴール前に届きそうな長距離スローを次々に投げていたが、得点にはつながらず。「プロは身長が高いので上手くはいなかったが、投げるポイントも含めて修正したい。武器を活用するのはサッカーとして重要」とさらにクオリティーを高めながら、今後も駆使していく方針を示した。

(取材・文 竹内達也)
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