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リーグ未出場の3年目“大分のGK西川”を開幕戦スタメンに大抜擢「緊張したけど、やってやろうと」

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開幕戦でリーグ戦デビューを飾ったGK西川幸之介

[2.19 J2第1節 徳島1-2大分 鳴門大塚]

 大抜擢に応えようと気合十分で試合に入っていた。昨季終盤にレギュラーを務めたGK吉田舜が浦和に移籍した大分トリニータだが、それまでレギュラーを務め、昨季も最多の31試合でゴールマウスを守ったGK高木駿がいた。それでも下平隆宏監督は、藤枝東高から加入3年目、過去2年でリーグ戦の出場がないGK西川幸之介の起用を決断した。

「(先発が)確実に決まったのは昨日。でもスタメンかもというのは、一昨日に分かっていた。嬉しい気持ちの半面、緊張もしたけど、やってやろうと思っていました」(西川)。下平監督も「去年から良かったけど、今シーズンもスタートしてから安定したパフォーマンスでアピールし続けていた」と信頼して開幕戦のピッチに立たせていた。

 しかし開幕戦の独特の雰囲気が、西川の身体を固くした。「1個1個のプレーの選択の中で、これをミスっちゃいけないとか、迷ってしまって中途半端なプレーが増えてしまった」。最大の武器であるフィードすらも安定感を欠いた。「結果的には勝てたけど、ぜんぜん満足していない。勝ってよかったなという、ただそれだけの試合でした」。本人も反省の言葉ばかりを口にした。

「自分の中で開幕戦でいいプレーをしないといけないという意識が強くて、持ち味を出そうと考えすぎた。前に簡単に蹴ることもできたが、難しいプレーを選択してしまった。自分のところでミスがあった分、相手も行けるぞとなったはず。GKが1番ゴールに近いポジションにいるので、そこでミスが増えたことで相手を乗せてしまったと思います」

 大分のGK西川。今はまだ、下部組織出身でデビューした2005年から5シーズンをプレーした西川周作(現浦和)の名前が先行する。ただ幸之介も確実に、自分の地位を確立していくつもりだ。

「4人いるGKの争いに勝ったというより、4人で競い合う中で自分が良くなることにフォーカスしています。去年のルヴァン杯の時はチャレンジ精神でできていたけど、今日は勝たないといけない、いい雰囲気を与えないといけないと意識しすぎた。緊張の促し方も良くなったのかなと思います」

 まだ20歳。次のチャンスは必ずやってくるはずだ。「次は問題なく、自分のプレーを、チームが勝つためのプレーを選択できるかなと思います」。もう同じ過ちを繰り返さない。貴重な経験値を積み上げた若武者が、今度こそ自他ともに納得の行くハイパフォーマンスを披露する。 

(取材・文 児玉幸洋)
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