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元同僚GK対決がJ1で実現…福岡GK村上昌謙は敗戦に「再会してよかったねでは終われない」

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GK村上昌謙

[5.28 J1第15節 横浜FM 2-0 福岡 日産ス]

 横浜F・マリノス対策の5-4-1で敵地に乗り込んだアビスパ福岡だったが、前半に2失点を喫し、4-4-2に戻した後半はやや盛り返したものの、0-2で完封負けした。

 FWアンデルソン・ロペスの2ゴールはいずれもGKにとって難しいボールではあったものの、福岡GK村上昌謙は「素晴らしいゴールだったけど、僕たちは止めるのが仕事。もっとうまく守れたと思うし、そうなるまでのところでどうにかできた部分もたくさんあった」と悔やんだ。

 この日は横浜FMのゴールをGK一森純が守っていたが、村上にとっては2015〜16年にレノファ山口FCで共に過ごした一学年上の先輩。共に関西学生リーグで育った縁もあるほか、J2リーグで過ごした16年には一森が30試合、村上が12試合に出場し、レギュラー争いを繰り広げていた。

 二人が在籍していた当時、山口はJFLからJ2へと一気に駆け上がっており、横浜FMのDF小池龍太や川崎FのMF小塚和季ら現在のJ1リーガーも多数所属。それでも共にGKとしてポジションを争っていた二人がJ1の舞台で競演したことはJリーグの裾野の価値を大いに示した。

 村上は「一森選手はJFLからJ3、J2、J1と全てのカテゴリを戦って自分で勝ち取られているし、プレイベートでもすごくお世話になった先輩。今も家族ぐるみで親交のある選手。元はライバルだったで、一森選手が出られれば自分が出られない、自分が出れば一森選手が出られないという中で切磋琢磨しながら、いつか上でと思っていたので、ここでできたことはよかった」と感慨を語った。

 それでもすぐに「ただ『再会してよかったね』では終われない」と表情を引き締めていた。「本来だったら勝ってこういうコメントをしたい。まだまだ自分に力がなかったので、またリベンジして横浜さんに勝ってまた会いたい」(村上)。国内トップカテゴリでの再会を経て、さらなる鍛錬を続けていく糧にしていく構えだ。

 また村上にとっては一森との再会に加えて、大怪我を経てホーム復帰戦を迎えた同学年のFW宮市亮の存在も刺激になっていたようだ。

「お世話になった先輩とピッチで戦えるのはすごくよかったし、大きな怪我をして帰ってきた選手もおられたし、いろんな苦しい状況を乗り越えてプレーされる方は周りの人の力になると思う」。そう切り出した村上は「僕たちも苦しい中を戦い抜いた選手として、アビスパ福岡のために、福岡をより盛り上げていけるような感動と勝ちにこだわれる選手になれるようにこれからも頑張っていきたいです」と決意を新たにしていた。

(取材・文 竹内達也)
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