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流経大柏期待の194cmFW柳裕晋が千葉決勝でもゴール。選手権は「絶対に全国」

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前半36分、流通経済大柏高190cmFW柳裕晋(3年=JSC CHIBA出身)が追撃ゴール

[6.18 インターハイ千葉県予選決勝 流通経済大柏高 2-3 市立船橋高 柏の葉]

「大会通して言ったら、一皮剥けたと思います」。流通経済大柏高の榎本雅大監督は194cmFW柳裕晋(3年=JSC CHIBA出身)の成長を認めていた。昨年途中まではCチームにいた大器を指揮官がAチームに抜擢。辛抱強く育てられたFWは、今回のインターハイ予選全4試合で先発出場した。

 初戦、準々決勝で2試合連続ゴール。この決勝でも序盤から高さで優位性をもたらしていた。流経大柏は試合開始直後のファーストプレーから力強い攻守。柳を起点に攻めて押し込み、相手に思うような攻撃をさせていなかった。だが、守備から攻撃への切り替えの速い相手にわずかな隙を突かれる形で2点を奪われてしまう。

 前半36分、柳が1点を奪い返す。右CKの流れからファーサイドの右SB田中ショーン涼太(3年)が仕掛けて浮き球のラストパスを上げる。これを柳が抜群の高さのヘッドでゴールへ叩き込んだ。

「こぼれ球をショーンが上手く自分のところに繋いでくれたので、押し込むだけでした。前半で2失点して、前半のうちに1点返せたのはチームとしても、自分としても良かったんですけれども、後半始まって相手が3点目取る前に自分が2点目を取れなかったのが悔しいです」

 柳は後半立ち上がりにも絶妙なポストプレーでFW山野春太(2年)の決定機を演出。だが、流れの良い時間帯で2点目を奪えなかったことを悔しがる。流経大柏はMF中田旭主将(3年)が決定的なシュートを放つシーンもあったが、チャレンジ&カバーを徹底する市立船橋に攻撃を対応され、なかなか攻め切ることができない。

 そして、後半27分に痛恨の3失点目。流経大柏は直後に柳を右SB北村温人(3年)と変え、U-17日本高校選抜CB塩川桜道(3年)を前線に上げる。37分には北村の右クロスから塩川が頭でゴール。再び1点差としたが、勝利への執念を見せる市立船橋から3点目を奪うことはできなかった。

 最大のライバルに敗れ、千葉県予選敗退。榎本監督は「相手の方が、気持ちが入っていたという感じですね。こういう勝負が県内でもできる。全国大会と等しいくらいの価値がある。目指すべき相手が高ければ高いほどやりがいがあることなんで。冬はこのままじゃ終われない」と冬の市船超えを誓っていた。

 試合前、榎本監督はこの決勝で活躍することによって、柳の成長が加速することを期待していた。その思いに応えてゴールを決めた柳は、さらなる進化を誓う。「大会前からクロスからのところはずっとエノさん(榎本監督)から言われていて、大会を通してちょっとずつ成長できたと思います。勝ち切れたらもっと変われたと思うんですけれども、決め切るところだったり、もっとこだわって、リーグ戦あるのでやっていきたい。みんなで選手権までのリーグ戦で力をつけて、冬には全員で絶対に全国に出られるようにしたい」。期待の大型FWは、よりチームを楽にできるFW、ゴールを決めるFWになって選手権で大暴れする。
 
(取材・文 吉田太郎)
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