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SH起用の大川佳風主将はゴールを求める。流経大柏を勝たせて高卒プロ、選手権日本一へ

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流通経済大柏高の右SH大川佳風主将がドリブルで青森山田高の守備網を切り裂く

[10.16 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 流通経済大柏高 1-1 青森山田高 流通経済大柏高G]

「前半のゲームはやりたいことができたので、でもそれを続けられないのが自分たちの弱さ。後半もあのゲームができたら勝てた」。流通経済大柏高の主将、大川佳風(3年)は前半の好内容を維持できなかったこと、そして勝ち切れなかったことを悔しがった。

 この日はU-18日本代表候補のSB都築駿太(3年)が怪我のために不在。その中でボランチに抜擢された185cmCB塩川桜道(2年)や台頭中のCB高橋力也(2年)、MF菅野倖生(3年)の背番号40番台の3選手が健闘するなど、苦手の青森山田高相手にリードして前半を終えた。

 右SHの大川、左SHの菅野が内側のポジションを取ることで中央からのパスワークに厚み。前半32分にはMF竹原伸(3年)のスルーパスから菅野が左足で狙い、ポストの跳ね返りをFW 大堀柊人(3年)がゴールへ蹴り込んだ。

 リードした後も流れの良い時間帯が続いていたが、後半は慌てて攻めてボールを失ってしまうなど、相手の勢いある攻守に飲み込まれてしまう。セットプレーを与える回数が増加し、後半だけで10本のシュートを浴びた。流経大柏はゴール前でGKデューフエマニエル凛太朗(3年)らが高さを発揮していたものの、ミスが絡んで失点。青森山田とのリーグ戦は14年から12試合勝っていなかっただけに、悔し過ぎるドローとなった。

 大川はU-18日本代表候補、日本高校選抜歴を持つSB。昨年、今年とJ2クラブへの練習参加も経験している注目株は現在、SHとしてプレーしている。この日は鋭いドリブル突破からPAへスルーパスを通すシーンや、アーリークロスで決定機を演出するシーンもあった。

 だが、本人が求めるのはゴール。「それはエノさん(榎本雅大監督)にも言われていて、一個(ポジションが)上がったのでより結果を求められる。全然点獲れていないし、獲りたいですね」。夏明けからコンディションが向上。チームはプレミアリーグEASTで2番目に少ない16得点(18試合)と苦しんでいるだけに、「自分の怪我が治ってきてやりたいことがやれるようになってきた」という「アタッカー・大川」のゴール、アシストの増加に期待がかかる。

 スピードを活かした攻撃面はJリーガー相手にも通用したという手応えがある。その力をチームのために発揮し、プレミアリーグEAST上位進出、そして選手権日本一へ。今年はインターハイ予選敗退、プレミアリーグEASTでも前半戦で6戦未勝利を経験するなど悔しい結果が続いているが、「不安はないですね。力は絶対にあるので」とチームメートを信頼する。昨年度全国初戦敗退の経験も糧に一戦必勝。主将はチームを勝たせて「高卒プロってずっと思っていた」というプロ入り、選手権制覇を成し遂げて流経大柏を卒業する。

(取材・文 吉田太郎)
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