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[MOM4197]流通経済大柏GK土佐昂清(2年)_当初は不安も、PKストッパーとして覚醒。先発の座も守って開幕へ

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PK戦5人目、流通経済大柏高GK土佐昂清(2年=FC東京U-15深川出身)が止めて決着

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NEW BALANCE CUP準決勝 流通経済大柏高 0-0(PK4-2)東海大相模高 時之栖裾野G]

 プレミアリーグEASTに所属する千葉の名門・流通経済大柏高は、「NEW BALANCE CUP 2023 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)準決勝でPK戦の末に勝利。GK土佐昂清(2年=FC東京U-15深川出身)がPK戦で2本を止め、勝利の立て役者になった。

 土佐は「元々練習とかで(PKは)得意じゃなくて、本番になってできるか不安だったんですけれども、いざあそこに立って見ると、自分の中でも集中していて、蹴る瞬間に『こっちだな』と伝わってくるものがあって、そこに跳ぶだけでした」と振り返る。

 2人目のシュートを左へ跳んでストップ。さらに5人目のキックを右へ跳んで完璧にはじき出した。「PKはGK有利だと自分は思っているので、メンタル的には。やられて当然なので、背負うものはないので、思い切って跳びました」。自信を持って跳躍し、チームを救うプレー。土佐は桐生一高(群馬)との準々決勝、八千代高(千葉)との決勝でもPKを止め、流経大柏を優勝へ導いた。

 準決勝と決勝のPK戦直前には、不在の伊佐孝徳GKコーチから電話で助言を受けた。「『オマエ、絶対に止めろよ』と(微笑)。準決勝で言われたのは、(プレッシャーを掛けるために)『キッカーに話しかけろ』で、決勝の時は言われたのは『八千代も疲れているから、自信を持って跳べばコース良いところ来ないから、方向さえ当たれば止められる』と」。そのアドバイスを実践し、自身の活躍に繋げた。

 本人はPKに自信を持っていなかったようだが、驚異的な反応でのPKセーブを連発。指揮を執った高橋隆コーチも「流経史上、一番じゃないですか」と微笑んでいたように、PKストッパーとして覚醒して来ている。近距離からのシュートストップを得意とし、右足キックにも自信。その土佐は、昨年のプレミアリーグ6試合でフル出場しているGK木下晴喜(2年)らとの競争を制し、新シーズン開幕時も先発GKとしてチームの勝利に貢献する意気込みだ。

「(今大会は先発を務めたが)まだ年明けてすぐなので、自分が開幕の時にスタメンかどうかは分からないので、残り2か月、3か月くらいしっかりと頑張って、開幕戦スタメンで出て、昨シーズンはトップが残留争いに巻き込まれていたので、今年は残留争いではなく、ファイナルを目指して頑張っていきたい」と力を込めた。身長185cmの土佐は、同じ185cmのコスタリカ代表GKケイラー・ナバス(パリSG)が憧れ。ワールドカップの日本代表戦でも活躍した守護神のように、劣勢でもゴールを守り抜いて無失点勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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