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最終4本目にFW小田が2発。“兄貴分”の日本高校選抜候補がU-17日本高校選抜候補に4-2で勝利

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4本目18分、U-18の日本高校選抜候補FW小田晄平(昌平高3年)が右足で勝ち越しゴール

[1.23 練習試合 日本高校選抜候補 4-2 U-17日本高校選抜]

 ともに静岡県内で選考合宿を行っていた日本高校選抜候補とU-17日本高校選抜候補が23日に練習試合(25分×4本)を行い、日本高校選抜候補が4-2で勝った。

 1本目、コンディション不良の選手が複数いたU-18の日本高校選抜候補は急遽3バックを採用。GK平塚仁(岡山学芸館高3年)、DF小泉佳絃(青森山田高3年)、DF渡邉優空(尚志高3年)、DF塩川桜道(流通経済大柏高3年)の3バック。右WB杉本英誉(青森山田高3年)、左WB金山耀太(近江高3年)、MF神田拓人(尚志高3年)とMF長準喜(昌平高3年)のダブルボランチ、トップ下がMF芝田玲(青森山田高3年)、そしてFW高岡伶颯(日章学園高2年)とFW網代陽勇(尚志高3年)の2トップで試合をスタートした。

 一方のU-17日本高校選抜候補はGK早川ウワブライト(日体大柏高2年)、右SB小沼蒼珠(青森山田高2年)、CB田中玲音(東京実高2年)、CB山本圭晋(帝京長岡高2年)、左SB山田佳(前橋育英高2年)、MF大谷湊斗(昌平高2年)とMF嶋本悠大(大津高2年)のダブルボランチ、右SH木村有磨(履正社高2年)、左SH大内完介(尚志高2年)、そしてFW大石脩斗(鹿児島城西高1年)とFWオノノジュ慶吏(前橋育英高2年)が2トップを組んだ。

 立ち上がりからプッシュしたU-18候補が4分に先制点を奪う。高岡を筆頭としたハイプレスから相手の縦パスを長がインターセプト。そのまま右足シュートを右隅へ突き刺した。さらに杉本のクロスを高岡が右足ボレーで狙う。対するU-17候補も鋭い動きを見せる大内が左サイドから左足で蹴り込んだクロス性のボールがファーポストをヒット。16分にはオノノジュのスルーパスで木村が抜け出してDFのタックルをかわす。

 だが、シュートは距離を詰めたU-18候補GK平塚がストップ。U-17候補はボールを保持する時間を増やし、大谷、嶋本のダブルボランチが運ぶ力を発揮する。だが、U-18候補は小泉や塩川、神田がボールを奪い返して前進。芝田と長、網代がタメを作り、杉本、金山の突破力も活かして相手の守りを崩そうとする。U-17候補は終盤に掛けて再び押し込むと、大谷が左足シュート。ともに選考試合ではあるものの、U-18候補の芝田や渡邉、U-17候補の小沼の大声が飛び交う。芝田は「1-0で勝ち切ったっていうのは、評価するかなと思いますけど、17にあれだけ攻め込まれたのは納得いかない試合でした」と厳しい評価をしていたが、1本目はU-18候補が1-0で終えた。

 2本目、U-17候補はGKをギマラエス・ニコラス(市立船橋高2年)へ代えて残りの10名はそのまま。一方のU-18候補はGK雨野颯真(前橋育英高3年)、右SB梶磨佐志(米子北高3年)、CB池戸柊宇(京都橘高3年)、CB山本虎(青森山田高3年)、左SB布施克真(日大藤沢高2年)の4バック、MF太田隼剛(市立船橋高3年)とMF堀颯汰(帝京長岡高3年)のダブルボランチ、右SH中村健太(堀越高3年)、左SH北藤朔(神戸弘陵高3年)、FW水永直太朗(東海大大阪仰星高3年)、FW宮下拓弥(桐光学園高3年)の2トップで試合をスタートした。

 太田が「1本目終わった後に、 もっと勢いづけたりとか、圧倒したいっていうのが(米澤一成)監督からあったんで、ボランチとして、まず入りの守備からっていうところで、 積極的に前線からプレスを掛けさせようっていうのはイメージがありました」と説明したように、立ち上がり、U-18候補はハイプレスで相手のミスを誘発し、連続で決定機を作り出す。U-17候補も嶋本の攻め上がりを起点とした攻撃からオノノジュがPAで強引な突破。ラストパスはU-18GK雨野に阻まれたが、チャンスを作り返す。

 だが、U-18候補は10分、山本の縦パスから北藤がマークを外して左タッチライン際の布施へパス。ここから追い越す動きを見せた太田、北藤とパスが繋がり、最後は北藤のクロスを宮下が1タッチでゴールへ押し込んだ。

 失点直前にMF長璃喜(昌平高1年)、FW柚木創(流通経済大柏高2年)、FW久保原心優(市立船橋高2年)を投入していたU-17候補も反撃する。17分、敵陣左中間で相手の縦パスを狙った大谷がインターセプト。混戦を制すと、さらに縦への動きでDFを振り切る。最後はマイナスの折返しを柚木が右足で決め、1点差とした。

 U-18候補は太田の奪い返しなどから北藤が個人技でシュートへ持ち込む。だが、U-17候補GKギマラエスの好守に阻まれて追加点を奪うことができない。守護神の活躍などによって踏ん張ったU-17候補が25分間を1-1で終える健闘を見せた。

 続く3本目、U-18候補はGK鈴木将永(青森山田高3年)、右SB野田隼太郎(藤枝東高3年)、CB八巻涼真(浜松開誠館高3年)、CB五来凌空(市立船橋高3年)、左SB市川和弥(尚志高3年)、MF西川桂太(京都橘高3年)、MF吉田裕哉(明秀日立高3年)のダブルボランチ、右SH宮川昇太(佐賀東高3年)、左SH臼田成那(明桜高3年)、2トップはFW小嵐理翔(実践学園高3年)と前線でテストされたDF尾崎凱琉(大阪桐蔭高3年)がコンビを組んだ。

 一方のU-17候補はGK佐々木智太郎(昌平高2年)、右SB笹修大(札幌大谷高2年)、CB五嶋夏生(大津高2年)、CB谷口輝(西武台高2年)、左SB岡崎礼暉(関東一高2年)、MF新垣陽盛(神村学園高2年)とMF福島和毅(神村学園高1年)のダブルボランチ、右SH清水彪雅(旭川実高2年)、左SH長、2トップは柚木と久保原が務めた。

 U-18候補は右SB野田が積極的にビルドアップやサイドの崩しに係るなど、右サイドからチャンス。立ち上がりに野田、西川、尾崎で右サイドを攻略し、小嵐がクロスバー直撃の右足シュートを放った。だが、この後も決定的なチャンスを作りながら活かすことができない。

 対するU-17候補は13分にCB森奏(堀越高2年)とMF宮地陸翔(京都橘高2年)を同時投入。その直後、相手GKのロングキックを笹が跳ね返すと、セカンドボールを拾った宮地のパスから久保原が一気に仕掛けて右足を振り抜く。これがファーサイドのネットに決まり、合計2-2の同点に追いついた。U-18候補がまた攻撃のギアを上げようとするが、U-17候補は対人で強さを見せる笹や佐々木中心に守り、25分間を1-0(合計2-2)で終えた。

 4本目、U-18候補は3本目から声を発し続けていたGK鈴木、右SB梶、CB八巻、CB尾崎、左SB五来、MF堀とMF野田のダブルボランチ、右SH小嵐、左SH布施、そして、FW小田晄平(昌平高3年)とFW山本吟侍(高川学園高3年)が2トップを組んだ。

 一方のU-17候補はGK藤間広希(矢板中央高2年)、右SB杉野太一(桐光学園高2年)、CB富樫龍暉(流通経済大柏高2年)、CB五嶋、左SB江頭瀬南(佐賀東高2年)、MF平林尊琉(前橋育英高1年)とMF澁谷陽(旭川実高2年)のダブルボランチ、右SH大成健人(神村学園高2年)、左SH長村星波(瀬戸内高2年)、そしてFW矢崎レイス(尚志高2年)とFW日高元(神村学園高1年)が2トップを組んだ。

 選考合宿のラスト1本。勢いに乗るU-17候補と再び勝ち越そうとするU-18候補が立ち上がりから攻防戦が繰り広げた。高校選抜入りしてサッカー人生を変えるという思いを表現した選手も。U-18候補MF堀のドリブルシュートやU-17候補MF平林の中央突破など互いにゴールを目指し合う中、U-18候補が次の1点を奪う。

 18分、自陣PA付近でボールを奪うと、布施の斜めのパスで前を向いた小田が左中間からドリブル突破にチャレンジ。「下の学年に引き分けとか負けは絶対に嫌だった。自分が決めたかった」という小田が強引に抜け出し、そのまま右足を振り抜くと、ボールはGKを弾いてゴールに吸い込まれた。

 さらに21分、U-18候補は堀がセカンドボールを回収し、縦パスを山本吟が繋ぐ。最後はボールを受けた小田が右へのドリブルから対角の右足シュート。これがファーのネットに突き刺さった。この後も布施と山本の奪い返しから小嵐が決定的な左足シュートを放つなどゴールを目指し続けたU-18候補が25分間を2-0で終え、合計4-2で勝利した。ともにこの練習試合で4日間の選考合宿を終了。チャンスを勝ち取った選手が日本高校選抜、U-17日本高校選抜として新シーズン前の貴重な活動に参加する。


(取材・文 吉田太郎)


●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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