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桐蔭横浜大から13人のJリーガーが誕生! “自慢の教え子”を安武亨監督が紹介「応援するに値する人間性を持っている」

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13人のJ内定者を丁寧に紹介した安武亨監督(写真右端)

 桐蔭横浜大は26日、Jリーグクラブ内定選手の合同記者会見を行った。会見にはFW山田新(川崎F)、DF中野就斗(広島)、MF楠大樹(東京V)、FW寺沼星文(水戸)、MF水野颯太(甲府)、GK北村海チディ、MF小関陽星(以上、藤枝)、DF鍋田純志(富山)、MF高吉正真(北九州)、DF羽田一平(岐阜)、DF大越寛人、MF大竹悠聖(以上、YS横浜)、FW左部開斗(相模原)の13名および安武亨監督が登壇。各クラブの関係者も出席した。

 1月1日に第71回全日本大学サッカー選手権(インカレ)の決勝を控えている桐蔭横浜大は、1998年のサッカー部本格始動以来最多となる13人のJリーガーが誕生。チームを率いる安武監督も「この13人という“結果”は、20年、50年は越えられる結果じゃない。彼らの夢がこれだけ叶ったということを凄く嬉しく思う」と喜びを語る。自慢の教え子たちは、「本当に素晴らしい選手で、みなさんが応援するに値する人間性を持っている人材」。指揮官は、愛のこもった言葉とエピソードを交えて、選手一人ひとりを丁寧に紹介した。

●FW山田新(4年=川崎F U-18/川崎フロンターレ内定)
「彼は圧倒的なフィジカルと速さを持っていて、1年生の時はIリーグで試合に出ていたけれど、あの強さと速さを出すのは反則だと思った。(Iリーグでは)チャンスを何回も作ったけど、2点しか取ってないね。3点だっけ。もうちょっと取ってたか。ただ彼に、『お前4年後エースになる気あるのか?』と一回怒ったことがあるが、そこからブレずに必死にやり続けて、4年後にエースになってくれて、日本を代表する、大学サッカーでナンバー1ストライカーと言われるような選手に成長してくれた。今後日本代表だとか、そういったところにまで辿り着けるような選手になってもらいたい」

●DF中野就斗(4年=桐生一高/サンフレッチェ広島内定)
「彼はキャプテンで本当にチームをまとめてくれて、3年生の時は怪我で出場時間が短くなってしまったが、かなり早い時期から内定をもらった。(彼が高校時代、)実は獲る予定じゃなかった。本当は違うチームのセンターバックを見に行って、そしたら、中野就斗という対戦相手のセンターバックがもの凄く良くて、すぐに監督のところに行って声をかけた。『ぜひうちに来てくれないか』と。本当にあの試合を見に行って良かった。彼も大学ナンバー1ディフェンダーと言われているので、日本代表に入るような存在だと思う。本当に将来期待できる選手です」

●MF楠大樹(4年=桐生一高/東京ヴェルディ内定)
「中野(就斗)と同じ高校で、同じ試合を見て、中野と楠に声をかけた。楠は左サイドでもの凄く速い選手だったが、全然守備をしなかった。ただ『ここは変えられる』と思った。もの凄く速いという特徴を持っていたので、守備のところは自分(安武監督)が変えれば、絶対にプロになるというイメージをその時に持てた。そして、彼は本当に4年間一生懸命頑張ってくれて、守備を身に付けてプロになってくれたので、とても嬉しく思う」

●FW寺沼星文(4年=FCトリプレッタユース/水戸ホーリーホック内定)
「彼は1年生の時、188㎝もあるのにヘディングができなかった。ヘディングができない。ボールが止まらない。でも、試合の時はそうだけど、普通にやらせるとできる。彼はそれをコツコツといろいろな人に教わりながら、本当に順調に伸びていった選手。今は大学で一番強いんじゃないかな。ボールが懐に入った時に全く相手を寄せ付けないくらいの選手になったと思う」

●MF水野颯太(4年=常葉大橘高/ヴァンフォーレ甲府内定)
「水野はかなり早くからうちを希望してくれて、早くに決まって、桐蔭横浜大でやりたいと言ってくれた選手。やはり、1、2年は苦しんだが、3年からはスタメンに定着した。左サイドで良いドリブラーで、次いく甲府には、先輩に鳥海芳樹(桐蔭横浜大/21年卒)がいるので、彼からスタメンを取ってもらいたい」

●GK北村海チディ(4年=関東一高/藤枝MYFC内定)
「チディは、高1の時から『来てくれないか』と、ずっと口説いていた。跳ぶこと、走ることといった才能が抜群で、たぶん、歴代ナンバー1くらい跳ぶんじゃないかというバネを持っている。1年生の頃は、高校から大学に入ってきて凄く苦しんだが、2年、3年と苦しみながらもひたむきに戦い続けることで自信を身に付けて、このチームでは欠かせない選手になってくれた。次のチームでも頑張ってほしい」

●MF小関陽星(4年=関東一高/藤枝MYFC内定)
「実は(小関)陽星と(北村海)チディは、同じ関東第一高校から桐蔭大に来てくれて、そのまま同じ場所(藤枝)に行くという、かなり長い時間を2人で過ごしている。陽星も高校2年生の時からずっと見ていて、左利きの良いドリブラー。負けん気の強さがあるので、出れないときは何で出れないのかを聞きに来るし、守備が足りないと言うと、守備を身に付けてくる。そういった意味で本当にプロ向きな選手だと思う」

●DF鍋田純志(4年=水橋高/カターレ富山内定)
「鍋田は3年生の時に関東選抜に選ばれて、その直後に前十字靭帯を切ってしまい、4年生の一年間を棒に振った。それで彼はもう一年大学サッカーを、5年生でやるという決断をして一緒に戦ってくれた。本当に熱く戦う男で、凄く寡黙に一生懸命な選手なので、好感の持てる人材です」

●MF高吉正真(4年=川崎F U-18/ギラヴァンツ北九州内定)
「フロンターレユースのキャプテン。彼は元々センターバックで戦っていたけど、プロになるならボランチだろうということで、彼をボランチにコンバートした。ボールを奪うという抜群の能力を持っていて、さらにもの凄くハードワークできる。チームのために走って、ボールを刈り取って近くの選手に渡す。あとは、ラストパスやシュートがあればもっと良い選手になる。プロになったらそこに取り組んでもらいたい」

●DF羽田一平(4年=作陽高/FC岐阜内定)
「羽田一平は、とにかく声が良い。良いコーチングが出るし、スカウトの方と話していても、『今日一平ちゃん良い声出てたね』というようなコメントをもらえるくらい。その場の空気を変えるくらいの声を出せる選手。もちろんプレーも良い選手だが、あそこまで喋れて、あそこまで声が通るというのは本当にチームとして救われる。絶対にチームに必要な人材です。引き続き、良い声で頑張ってもらいたい」

●DF大越寛人(4年=広島ユース/Y.S.C.C.横浜内定)
「彼はサンフレッチェの時、プレミアリーグ選抜で日本を代表するような選手だった。チーム内での評価は凄く高い。誰がやっても『大越とはやりやすい』と言うので、相当良い選手だと思う。相手にとって嫌な選手だなという風になってくれると、もっと良い選手になれると思う」

●MF大竹悠聖(4年=大津高/Y.S.C.C.横浜内定)
「大竹は、大津高校から来てくれて、高校サッカー選手権の得点王。彼もいわゆるエリートとしてうちに来て、なかなか試合に絡めなくて凄く悔しかったと思う。1年生の時はその悔しさから、何で俺が出れないんだというような態度を取っていたが、3年生になったら、キャプテンを任せたいくらいにそういう悔しさというのをグッと堪えて、自分のできることを全力でやるような素晴らしい人材に育ってくれた。これから、そういったところがまたプラスに働いて、もっと成長する選手だと思う」

左部開斗(4年=流通経済大柏高/SC相模原内定)
「左部は、流通経済大柏高のキャプテンとして活躍し、うちに入ってきてくれた。彼はフォワードでもの凄くハードワークができて、一生懸命戦ってくれる選手。ただやはり、山田新、寺沼星文という選手と同じポジションだったので、彼はどうやったら試合に出れるのかというのを考えて、ボランチやサイドバックをチャレンジした。とにかくどのポジションでもいいから、僕を試合に出してくれということでいろいろなポジションにチャレンジして、結局フォワードが一番良いよねというところで、4年になったらスタメンを勝ち取って、こういうプロの道も勝ち取ってくれた」

(取材・文 成田敏彬)
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