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ゲキサカ読者が選ぶ夏のMVPは明秀日立MF吉田裕哉!「自分らしくプレーして、選手権でも活躍できるように」

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ゲキサカ読者が選ぶ2023インターハイMVP「GEKISAKA AWARD 2023 SUMMER 高校生部門」に明秀日立高MF吉田裕哉(3年=FOURWINDS FC出身)が選ばれた。

 ゲキサカ読者が選ぶ2023インターハイMVP「GEKISAKA AWARD 2023 SUMMER 高校生部門」に明秀日立高(茨城)MF吉田裕哉(3年=FOURWINDS FC出身)が選ばれた。

 今回の企画は大会期間中に『ゲキサカアプリ』を使って実施。最も多くのクラップ(拍手=投票)を集めた選手を表彰するもので、吉田にはゲキサカオリジナルトロフィーが授与された。

 今夏、吉田は明秀日立のトップ下のポジションで躍動。得意とするドリブル、ボール奪取力、豊富な運動量を駆使し、いずれも優勝候補だった静岡学園高(静岡)戦や青森山田高(青森)戦で活躍した。また、関西大一高(大阪2)との2回戦では1ゴール1アシスト。桐光学園高(神奈川1)との決勝でも延長戦まで足を動かし続け、攻守両面で光る動きを見せるなど、チームの初優勝、茨城県勢44年ぶりとなる日本一に大きく貢献した。

 今回は大会優秀選手にも選出された吉田にMVPの感想や優勝したインターハイの振り返り、また今後への意気込みなどについて聞いている。

―ゲキサカ読者が選ぶMVP、おめでとうございます。率直にどんな感想ですか?
「率直にビックリしました」

―動画など見て、評価してもらっての受賞。
「自分の武器であるセカンドボールを回収してからのドリブルやラストパスを出せたので良かった」

―インターハイはどんな大会だった?
「自分たちの武器が存分に出た大会だったと思います」

―その結果、徳永君(前橋育英→筑波大)や松木君(青森山田→FC東京)のあとのMVPだけど。
「そういう名に恥じないように選手権で頑張っていきたいです」

―ドリブル、フィジカルを出せた手応えはある?
「静岡学園戦ではそういうところを出せなかったんですけれども、青森山田戦では出せて、球際とかも勝てたシーンが多かったので自信になりました」

―中学生の時のNOTEを読んだけれど、当時からフィジカルを意識していた。
「自分、中2の途中くらいまでは細くて1個上に上がった時にドリブルとかはできたんですけれども、フィジカルというところで抑えられてしまっていたので、そこから肉体改造しようと考えて、意識するように頑張っていました」

―その武器が通用した。
「山田戦は特にそういうところも劣ることなくやれたと思います」

―大会が始まる前はベスト4、決勝、優勝というイメージはできていた?
「静岡学園は耐えて自分たちの得意の形であるショートカウンターを出せば勝てると思っていたんですけれども、やっぱり山田は自分たちと同じスタイルというのもあって、勝てるとは思っていませんでした」

―最初に組み合わせを見た時は?
「ちょっとみんなも、『くじ運悪いな』みたいに言っていました」

―どこから乗れた?
「チームは静学戦に勝てて乗れたと思うんですけれども、個人としては青森山田戦で出せたパフォーマンスもそうですし、チームも勝てたということで、波に乗れたと思います」

―特に青森山田戦は個人で剥がせたり、ボールを奪うことができていた。
「静岡学園戦ではあんま出せなかったんですけれども、ボールを奪ってから前進するというところは出せて、青森山田にもやれていたと思うので、そういうところが良かった」

―2回戦の関西大一戦でゴール決めたり、アシストしたりできたことも良いパフォーマンスに繋がった。
「そこでも少し自信になって、もっと思い切りやろうと思いました」

―改めて、インターハイ印象に残っている試合は?
「青森山田との試合です」

―青森山田はデカい存在だった?
「絶対的な王者という認識だったので、そこを倒せたということが大きな自信になりました」

―桐光学園との決勝を振り返って。
「決勝は耐える時間が凄く長かったと思うんですけれども、そういうゲームは日頃から大学生とかと試合する時に経験してきていたので、そこで耐えて1本やろうと意識していました」

―吉田君自身、相当足に来ていたと思うけれど、ファーストディフェンスとしてスプリントし続けていた。
「そこは自分が評価されて、チームでもやっていることなので、自分がプレスに行くことで後ろもついてくれば良いかなと思ってやっていました」

―背中で引っ張ることができた。
「個人的に今大会はできたと思います」

―決勝のPK戦はどんな気持ちだった?
「ミーティングのタイミングで『みんな楽しんでやろう』という話になって、みんなリラックスしてできたと思います」

―外したくないという思いも。
「自分は特に。思い切りやろうと思って蹴りました」

―優勝の瞬間の気持ちは?
「率直に実感が湧かなかったです」

―重松君が止めて決まったけれど、興奮して飛ぶくらい。
「実感が湧かなくて、『本当なのかな』と」

―みんなが喜んでいた時もあまり覚えていない?
「みんなとにかく喜んでいたので、良い感じでした」

―評価を覆した。
「そこは『やってやったぞ』という気持ちがあります。でも、インターハイで終わってしまったら、たまたまだったんだとなってしまうので、選手権へ向けてまた鍛え直して、選手権でもそういう格上と言われるチームを倒していきたい」

―ゲキサカMVP。下手なプレーはできないかな。
「プレッシャーは感じつつも、自分らしくプレーして、選手権でも活躍できるようにやっていきたい」

―インターハイで出た課題は?
「個人としては疲れた中でもう一枚相手を剥がせることだったり、スプリントして追い越すというところが課題で、チームとして点取られた後に桐光学園戦でもすぐに修正できればもっと楽な試合になったと思うので、そういう失点したり、チームがダメなシーンで自分たちの力でどう改善できるかが課題だと思います」

―インターハイ、宿舎などではどう過ごしていた?
「基本的にご飯は外食で、その後温泉に行って交代浴してという感じです」

―北海道の生活はどうだった?
「ジンギスカンとか食べました。最初ですね。行ってその次の日くらいに」

―良い思い出はできた?
「優勝した後にみんなで旭山動物園に行ったのが良い思い出です。みんな、優勝の安心感で久しぶりに緊張感がなく生活できたので、リラックスできて良かったです」

―吉田君はFC日立、FOURWINDS(フォーウィンズ)と地元・日立市出身の選手。以前はどういう目で明秀日立を見ていた?
「中学生の時は練習試合とかさせてもらって、凄くタフなチームで連動性があるチームという印象でした」

―当時はベスト8が最高成績だった。
「自分たちが入学した時から『歴史を変えてやろう』という思いでやってきたので、それが今大会できて良かった」

―地元の選手も良く頑張った。
「通(学)生の中で『やってやろう』というヤツが多いので、ライバル心じゃないですけれども寮生よりも通(学)生が活躍してやろうと。地元の誇りを持って頑張ろうというのがありました」

―萬場監督は茨城県、県北部を盛り上げられたことをまた喜んでいた。
「最近は鹿島学園に負けて、鹿島学園1強になっているんじゃないかという風潮になっていたところを覆すことができたのは嬉しかったんですけれども、やっぱりここで冬も勝って、来年に繋げて行ければ良いと思います」

―茨城から全国で勝てることを証明できた。
「良い結果を出すことで良い選手も入ってきて、明秀日立自体が強くなっていく。凄く良いことができたんじゃないかと思います」

―憧れの選手は。
「目標にしていた選手は去年の村田楓太選手(現新潟医療福祉大)です」

―どこが凄い。
「やっぱり一番はチームがキツイ状況で個の力だけで点を取れたり、個の力だけでゲームの流れを変えれるという抜群の上手さがありますし、チームのために走れるのでそういうところは学んできました」

―結果を超えた。選手としても超えられるように。
「はい。頑張ります」

―改めてこのチームの良さをどこに感じる?
「仲が良いんですけれども、仲が良いだけじゃなくて練習とかで厳しく言うところは厳しく言ってメリハリのあるチームだと思います」

―それが日本一の原動力に。
「インターハイでも厳しい、いつ失点してもおかしくないようなシーンがありましたけれども、みんなで身体を張ったりというのは日頃から厳しくやってきて、練習でもやれていないヤツに厳しく言い合うというのはやってきたので、そこは日頃から厳しくいうというのは優勝の大きな要因だったと思います」

―今後はどんな選手になっていきたい?
「今まで通り、プレスに行って走ってというのもそうですけれども、疲れた中で、チームがキツイ状態で、個人として剥がしたり、ラストパスと言われてきたんですけれども、やっぱりゴールを取るというのが自分の課題かなと思うので、そういうところは自主練でもどんどんトレーニングして、選手権では『点も取れるボランチ』と言われるようになりたい」

―この後、プリンスリーグ、選手権へ向けた戦い。
「プリンスリーグは今までずっと行けていなくて、1個上のステージでやるだけで見えてくる景色が変わってくると思うので、プリンスリーグに上げて来年の後輩にプリンスリーグという舞台をプレゼントして、選手権は自分たちの価値をさらに上げる大会だと思うので、インターハイで優勝したのはたまたまだと言われないように、ここからまた1からトレーニングして、冬の選手権でも優勝できるように頑張っていきたいです」

★ゲキサカアワード歴代受賞者
●2022 WINTER 高校生部門:
MF木村匡吾(岡山学芸館3年)/受賞インタビュー
●2022 SUMMER 高校生部門:
MF徳永涼(前橋育英3年)/受賞インタビュー
●2021 WINTER 高校生部門:
MF松木玖生(青森山田3年)
●2021 WINTER 大学生部門:
FW土信田悠生(駒澤大4年)/受賞インタビュー
●2021 SUMMER 高校生部門:
MF松木玖生(青森山田3年)/受賞インタビュー
●2020 WINTER 高校生部門:
GK熊倉匠(山梨学院3年)/受賞インタビュー
●2020 WINTER 大学生部門:
FW砂金大輝(東海大4年)/受賞インタビュー
●2019 WINTER 高校生部門:
MF小山尚紀(静岡学園3年)/受賞インタビュー
●2019 WINTER 大学生部門:
MF中村健人(明治大4年)/受賞インタビュー
●2019 SUMMER 高校生部門:
FW西川潤(桐光学園3年)/受賞インタビュー
●2018 WINTER 高校生部門:
FW染野唯月(尚志2年)/受賞インタビュー
●2018 WINTER 大学生部門:
FW上田綺世(法政大2年)/受賞インタビュー
●2018 SUMMER 高校生部門:
FW西川潤(桐光学園2年)/受賞インタビュー
※所属と学年は当時

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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