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日本vsサウジアラビア 試合前日の森保一監督会見要旨

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 日本代表は2月1日、カタールW杯アジア最終予選の第8戦でサウジアラビア代表と対戦する。森保一監督は31日、試合会場の埼玉スタジアム2002でオンラインで前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「明日のサウジアラビア戦、まずは先日(中国戦の前日会見)もお伝えしたが、このコロナ禍の大変な中でホーム埼玉スタジアムでわれわれが試合をさせていただけることに感謝申し上げたい。たくさんの方々のご理解とご協力のおかげでわれわれが試合ができることに感謝申し上げるとともに、われわれの試合を見ていただき、勇気と元気、そして勝利で喜んでもらえるようにしたい。そしていま、コロナ禍でたくさんの方が苦しんでおられる、大変な思いをされていると思うので、日本代表の勝利で喜んでいただき、選手たちの頑張りを見ていただき、元気、勇気、そしてなかなか終わりのないコロナ禍でも粘り強く最後まで戦う姿を見ていただいて励ましのエールになれば幸いに思う。明日はアジア最終予選でわれわれのグループで1位を走っているサウジアラビアとの試合で、非常に強敵との対戦だが、われわれが持っているものをフルに発揮し、明日の試合にホームで勝利を収めるべく、今日の練習でもしっかりと準備し、明日の試合に向かっていきたい」

——サウジアラビア戦、何が勝敗を分けるか。
「いろんな要素はあると思う。戦術的な部分、メンタルの部分、ポイントはいくつかあるが、われわれがW杯出場に向けて、明日の試合でサウジアラビアを上回ってホームで勝つという気持ちが大切かなと思っている」

——ボールを握られる時間も長くなると思うし、耐える時間が長くなるかもしれない。試合展開の展望はあるか。
「サウジアラビアは非常に個の能力も技術も高く、チームとしても組織的に戦える洗練されたチーム。相手にボールを握られる時間帯、受け身に回る時間帯もあると思うが、我慢強く戦い続け、そこからわれわれの流れに持ってくることを想定の一つとして持っておかないといけない。ただアグレッシブに仕掛けてゴールに向かうところ、素早く攻めるところ、われわれがボールを握りながら相手の守備を崩していくことをサウジアラビア以上にできるよう、積極的に試合を進められたらと思っている」

——サウジアラビアが勝てばW杯出場を決められる状況にある。この点を踏まえて選手たちに強調したことはあるか。
「サウジアラビアの状況は選手たちも把握しているし、サウジアラビアがW杯に出るということをわれわれが考えるというよりも、われわれが明日の試合に勝って、W杯への出場の道をつなげていくところ、気持ちを強く持って戦うことを選手たちに伝えている。サウジアラビアは強敵だが、われわれ日本代表として戦ってくれる選手たちは非常にいい選手が揃っている。一人一人の力を100%発揮し、チームとして組織的に力を発揮すれば、相手を上回れるんだ、われわれが強いんだということを選手たちに伝えた」

——中国戦ではまったりした時間が長かったと感じた。勝つことが全ての最終予選はそれでいいという考え方もあるが、気迫や気概を求める人もいると思う。サッカーの本質から外れるかもしれないが、日本代表を考える上で大事なことがあるのではないか。サウジアラビア戦に向け、気迫を見せることについてどう思っているか。
「サッカーの見方というところでは三者三様、千差万別だと思う。われわれが中国戦で先制点を奪った後、積極性を感じられなかったと言われるかもしれないが、相手も最終予選に出てきている強敵だというところ、守備を固めてきた時に闇雲に攻めるのではなく、選手たちがどうやったら相手を疲労させられるか、守備を難しくさせられるか、どうやったら突破ができるか、いろいろなことを考えながら追加点に向けた突破口を探っていたと思う。理想は常に相手を圧倒し、試合を進めて勝っていくことだが、実力が拮抗した試合の中で中国戦はわれわれがボールを握っていて、相手にも力があるという中で、選手たちがどうやったらプレーを進められるかを考えてくれた。賢く試合を進められたかなと私は思う。サッカーの見方はいろいろあると思うし、誰かが発信した言葉に流れていくよりもいろんな見方があっていいと思う」

——5人交代が可能になって難しいこともあると思うが、森保監督は五輪代表を兼任しているという意味で多くのトライアンドエラーを重ねてきた。自身の交代の質が変わってきた手応えはあるか。
「交代枠の使い方は評価については皆さんにお任せする。ただし、全てをメリットに変えることをやっていかないといけないと思っている。交代枠が5人使えることで、試合の状況にも応じてだが、チームとしてよりパワーが持てるように交代枠を使っていきたいと思っている。私自身も五輪を含めて交代枠5人で経験を積ませてもらってきているが、Jリーグであったり、海外の視察をさせてもらう中で、視察した試合で5人交代枠の使い方もたくさん学ばせてもらいながら、日本代表にとってプラスになる交代枠の使い方を考えていきたい」

——監督の手応えはどうなのか。
「手応えとしてはプラスに変えていけるとは捉えている。チームとしてプラスになる交代枠の使い方ができているのではないかと思っている」

——サウジアラビア戦も中国戦と同様のメンバーで臨むつもりか。
「基本的には最終的には今日の練習を見て決めるが、基本的に大きく変える必要はないと思っている。勝っていたとしても変えないといけない、変えたほうがいい部分は変えていくが、基本的には中国戦の選手をベースに考えていきたい」

——サウジアラビアに目の前でワールドカップ出場を決めさせないという思いはあるか。
「いろいろな思いはあるが、この最終予選、アウェーでサウジアラビアに負けているので、そういった意味ではアジアで同じ相手に2度も負けられないということ。そしてサウジアラビアがここ日本でもしワールドカップ出場を決める状況になれば、非常に悔しい思いをすることになるだろうということは私自身も思っている。ただ、一番強く思っていることはサウジアラビアがどうなるかではなく、過去にサウジアラビアに負けたから次にそれを取り返すためではなく、われわれがワールドカップに行きたいか。ワールドカップ出場につなげるためにも勝たないといけない。2敗した時点で『勝ち続けることによってワールドカップに出場できる』ということを毎試合共有しながら一戦一戦全力で戦ってきている。相手がどこであろうと、ホームで戦って勝つ、カタールW杯に向けて道を繋いでいく、われわれの夢につなぐことを最優先に考えて戦っていきたい」

——サウジアラビア戦から勝ち続けているが、当時から成長したと考えている部分は。
「間違いなく、力として積み上がってきている。このW杯に向けての戦いの中で選手たちが個々のやるべきこと、チームとしてやるべきことを、いいチャレンジをしながら、成長しながら結果を出して来られていると思う」と手応えを語る。その上で「チームとしての戦いも、システム的に違った戦いをしても、攻撃と守備のベースになる戦い方、優先順位を考えた戦い方を持った上で、対戦相手に対してのオプションとしての戦い方を持つということができている。選手たちがいいトライをしてくれて、チームとしてもベースが積み上がっていると感じている」

——ケアをしているサウジアラビアの選手は。
「個々の選手たちは非常に能力が高い。攻撃でも個人で突破してくるし、組織的にもチームで連係連動して突破してくるので、どちらで来ても対応できるよういろんな選択肢を持って対応しないといけない。われわれの攻撃は非常にアグレッシブにプレッシャーをかけてくるし、ブロックを敷いて強固に守れるチーム。彼らも選択肢を持っているが、われわれも選択肢を持って臨まないといけないと思う」

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