beacon

5選手A代表デビューの森保J、6万人の元日国立で5-0圧勝!! 史上初のAマッチ9連勝達成

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF田中碧が先制ゴール


[1.1 TOYO TIRES CUP 日本 5-0 タイ 国立]

 日本代表は1日、TOYO TIRES CUP 2024でタイ代表と対戦し、5-0で勝利した。元日の国立競技場で史上初の国際Aマッチ9連勝を達成。経験の少ない選手が多く起用され、5選手がA代表デビューを飾った中でも圧勝し、アジアカップに向けて大きく弾みをつけた。

 61916人の大観衆が集まった史上初の元日国際Aマッチ。今月12日にアジアカップの開幕を控える日本代表はイングランド、スペイン、イタリア、スコットランドなどリーグ戦開催中の国で戦う欧州組を欠く中、森保一監督は4-2-3-1の布陣でフレッシュなメンバーを起用した。

 GKには正守護神候補の鈴木彩艶が入り、4バックは左からDF森下龍矢、DF町田浩樹、DF藤井陽也、DF毎熊晟矢。ダブルボランチはMF田中碧とMF佐野海舟が組み、2列目は左からMF奥抜侃志、MF伊藤涼太郎、MF伊東純也。1トップはFW細谷真大が務めた。藤井、奥抜、伊藤涼はA代表デビュー。伊東が初めてキャプテンを務めた。

 試合は立ち上がりから日本がボールを握るが、決定打を欠くまま時間が過ぎていく。前半7分、森下の出足の良いパスカットから佐野が持ち運び、縦パスから伊藤涼がカットインシュートを狙うも枠外。同8分には伊東の右CKに町田が合わせたが枠を外れ、同9分、森下の横パスを受けた伊東の右足シュートも相手にブロックされた。

 前半10分、伊東の浮き球スルーパスに細谷が抜け出したが、かすかに触れたシュートは相手GKがナイスセーブ。その後はタイの守備陣も慣れてきたか、なかなかチャンスを作れず、同22分には田中のボール奪取からカウンターを仕掛け、細谷のポストプレーから伊藤涼が狙うも、これもDFのシュートブロックに阻まれた。

 さらに前半30分、毎熊が相手最終ラインのギャップに素晴らしいスルーパスを送り込み、伊東が絶妙なタイミングで抜け出すも、GKをかわして狙ったシュートはDFに阻まれる。同42分、伊東の横パスから田中がミドルシュートを放つも、これが枠を外れ、0-0のままハーフタイムを迎えた。

 日本は後半開始時、伊藤涼と奥抜に代わってMF堂安律とFW中村敬斗を投入。すると一気に攻撃の流動性が生まれ、次々に短いパスでペナルティエリア内に侵入できる場面が増えていく。

 そうして迎えた後半5分、スコアを動かした。佐野の縦パスを受けた堂安が鋭いターンで相手を抜き去り、フリーの右サイドに長いボールを配球。伊東が小刻みなステップで混戦を生むと、最後は3列目から飛び込んできた田中が冷静な右足シュートでネットに蹴り込んだ。田中はA代表通算7ゴール目。第2次森保ジャパンでは4点目となった。

 後半16分、佐野のスルーパスに毎熊が右サイドを抜け出すと、絶妙なマイナス方向のパスに中村が反応。だが、得意な形の右足ダイレクトシュートは右ポストに弾かれた。さらに同22分、右サイドで長いボールを受けた伊東が中央にカットインし、斜めのパスを堂安がトラップ。やや足元に入って右足で狙ったが、GKに阻まれた。

 日本は後半23分、伊東と森下に代わってMF南野拓実と初招集でこれがA代表デビューのDF三浦颯太を投入。南野がトップ下に入り、堂安が右サイドハーフに回った。直後、堂安の縦パスを受けた南野がペナルティエリア右から狙ったが、これは惜しくもゴール左に外れた。

 それでも後半27分、日本が追加点を奪った。左ハーフスペースに入った中村が狭いところから縦に出し、佐野が裏抜けから折り返しのパスを送り込むと、南野がゴール前で受けてシュート。これは相手GKに読まれていたが、こぼれ球に中村が詰めた。中村は出場4試合連続ゴールでA代表通算5点目。代表通算5試合目にして驚異のペースを続けている。

 さらに日本は後半29分、堂安の左CKを細谷が頭でそらすと、これがDFユセフ・エリアス・ドラーに当たってゴールイン。オウンゴールで3-0とした。同34分には田中と毎熊に代わってMF川村拓夢とDF菅原由勢が投入。川村はA代表デビューとなった。

 すると後半37分、日本は左サイドから攻め上がった三浦のクロスは大きく流れたが、右で堂安とのワンツーに抜け出した菅原が高精度のクロスを配球。ボランチの位置から飛び込んだ川村のヘッドはGKに阻まれたが、跳ね返りを再び川村が頭で合わせ、デビュー戦で初ゴールを叩き込んだ。

 さらに後半終了間際、南野が相手からボールを奪って独走するも、1対1のシュートは左へ。場内からはため息が漏れた。それでも直後、南野は細かいパスワークから混戦を誘い、エリア内に抜け出してゴール。見事にミスを取り返した。そのまま試合はタイムアップ。史上初の元日国立マッチで4-0の圧勝を飾った。アジア杯メンバーは試合後、午後6時30分ごろに発表される。

(取材・文 竹内達也)

広島MF川村拓夢が“半年越し”A代表デビューで初ゴール! ベンチスタートに悔しさも「時間は必ずあると思っていた」
先発A代表デビューもアピールならず…奥抜侃志「もっと自分に厳しくやっていきたい」
A代表デビュー戦でフル出場の藤井陽也、完封勝利にも満足せず「もっともっとやれる」
トップ下で先発も得点絡めず前半で交代…A代表デビューの伊藤涼太郎「自分のプレーを出せなかった」
大卒1年目の「濃いシーズン」をA代表デビューで締めくくった三浦颯太「初めてのテンポで楽しかった」
「慣れてなくて難しかった」円陣で噛んだ“キャプテン”伊東純也に細谷「それで雰囲気が良くなった」
OG誘発のヘッドも披露したパリ五輪世代FW細谷真大はアジア杯メンバーにも選出「ゴールで勝利に貢献したい」
A代表初ゴールから4戦5発のFW中村敬斗「毎回の活動で生き残りをかけて」
急造DFラインで“引っ張る”立場の経験積んだ町田浩樹「まだまだ上手く動かせるはず」
「1点は1点でもうれしさが違う」貴重な先制点の田中碧、アジア杯選外は移籍市場への配慮?
南野拓実、アジア杯直前に約2年ぶり待望弾「ホッとする気持ちはなくて」
会見要旨
選手採点

●AFCアジアカップ2023特集

竹内達也
Text by 竹内達也

TOP