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山根視来が痛恨の土壇場PK献上…日本代表、カタールW杯前最終戦で逆転負け

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日本は1-2で逆転負け


[11.17 国際親善試合 日本 1-2 カナダ ドバイ]

 日本代表は17日、国際親善試合でカナダ代表と対戦し、1-2で逆転負けした。前半開始早々にMF柴崎岳の浮き球パスからMF相馬勇紀が先制ゴールを決めたが、同21分にセットプレーから失点。後半は拮抗した展開が続いた中、終了間際のアディショナルタイムにPKで勝ち越され、カタールW杯前最後のテストマッチを黒星で終えた。

 森保一監督はW杯前最終戦で、試合間隔が空いた選手を中心にテスト。コンディション調整の色が濃い染髪を送り込んだ。システムは9月のドイツ遠征でも採用していた4-2-3-1。GKは権田修一が起用され、4バックは左からDF伊藤洋輝、DF谷口彰悟(川崎F)、DF板倉滉、DF酒井宏樹で、ダブルボランチはMF柴崎岳とMF田中碧。2列目は左からMF久保建英、MF南野拓実、相馬が並び、1トップはFW浅野拓磨が務めた。[スタメン&布陣]

 カナダはバイエルン所属の絶対的主軸のFWアルフォンソ・デイビスが負傷欠場している影響もあってか、基本システムの3-5-2ではなく4-4-2のシステムを採用。日本は最終ラインを起点にボールを握り、時には田中が下りながら安定したビルドアップを繰り出すと、前半8分にさっそく試合を動かした。

 前線で浅野が身体を張ってボールを収め、南野とのパス交換で前を向いた柴崎が前線に浮き球のスルーパスを送り込むと、右サイドハーフの位置からランニングを仕掛けた相馬が反応。めいっぱいに足を伸ばしながらボールに触れると、軌道が変わったボールが相手GKの逆を突き、ゴール右隅に転がり込んだ。

 EAFF E-1選手権で大会3ゴールを挙げ、9月のドイツ遠征のパフォーマンスでW杯メンバー入りを掴んだ相馬はここでも大仕事。A代表通算4得点目は本大会を目前に控えた中でのアピール弾となった。相馬はその後、守備でも巧みなポジショニングと鋭い出足で存在感を発揮。MF三笘薫(ブライトン)の合流が遅れている中、素晴らしい試合の入りとなった。

 一方、ビハインドとなったカナダは右サイド裏のスピードや高さを活かし、日本のゴールを目掛けて猛攻をスタート。局面では激しい対応を続け、浅野や田中、南野が競り合いで痛める場面もあった。そして前半22分、右からのコーナーキックをMFジュニア・ホイレットがゴール前に送り込むと、MFアティバ・ハッチンソンがそらし、DFスティーブン・ビトリアがプッシュ。日本はセットプレーから同点に追いつかれた。

 その後も日本のピンチは続き、前半28分には再三スピードを見せていたFWテイジョン・ブキャナンに右サイドを走られ、シュート数のクロスが権田を強襲。そこからのセットプレーでも高さで大きく上回られ、厳しい対応を迫られる場面が続いた。同34分には田中がボールを奪われ、FWジョナサン・デイビッドが左足シュート。これは右に大きく外れたが、またも危険なピンチとなった。

 なかなか前に出られない日本だったが前半35分、ようやく右サイドでプレッシングがハマり、南野のボール奪取から久保がカットインシュートを狙うも相手守備陣に直撃。すると徐々にボールを握り返せるようになり、同39分には谷口のロングフィードから酒井がペナルティエリアに入り込む。だが、ダイレクトの折り返しは大きくゴールライン外に流れ、チャンスにつなげることはできなかった。

 そのまま試合は後半へ。日本は負傷明けの浅野、酒井、久保を下げ、FW上田綺世、MF堂安律、DF山根視来を投入。相馬が左サイドに移った。開始直後、日本はロングフィードから谷口がFWカイル・ラリンに裏を取られたが、権田が絶妙なタイミングで飛び出してビッグセーブ。その直後には柴崎のサイドチェンジが相馬に入り、縦突破から折り返すも、堂安には惜しくも通らなかった。

 日本は後半15分、上田とのワンツーから南野がこの試合で初めて前を向くも、後ろからの相手を気にしたか痛恨のシュートミス。同17分には柴崎のボール奪取を起点に左サイドを攻め込み、相馬の鋭いクロスがゴール前を襲ったが、上田はわずかに合わせられなかった。同23分には板倉、田中を下げてMF鎌田大地とDF長友佑都を投入。鎌田はボランチに入り、伊藤が左センターバックに移った。

 その後は鎌田が圧巻の存在感を見せ、巧みなボールキープと前方へのパスで攻撃を牽引するが、なかなかゴールに近づくことはできない。後半40分には南野を下げてDF吉田麻也を投入。3-4-2-1のシステムを試した。同45分には堂安の落としから柴崎がスルーパスを送り、山根が狙うも右ポストに弾かれた。

 そのまま試合はアディショナルタイムへ。カナダの圧力が強まる中、相手のスルーパスに反応したDFリッチー・ラレイアを山根が倒し、PKを与えてしまう。キッカーはFWルーカス・カバリーニ。意表を突いて繰り出したチップキックに対し、権田がなんとか身体を残したが、弾いたボールがゴールイン。最後の最後で失点した日本は逆転負けを喫した。23日のW杯グループリーグ初戦・ドイツ戦を控える中、結果で弾みをつけることはできなかった。

(取材・文 竹内達也)

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