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堂安、久保、上田が揃い踏み!! 森保J、痛恨OGには課題露呈もバーレーン破って9大会連続アジア8強入り

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MF堂安律(フライブルク)が先制ゴール


[1.31 アジア杯決勝T1回戦 日本 3-1 バーレーン アルトゥママ]

 アジアカップを戦う日本代表は31日、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でバーレーンと対戦し、3-1で勝利した。東京五輪世代のMF堂安律、MF久保建英FW上田綺世が揃い踏み。セットプレーからオウンゴールで喫した失点には課題が見えたものの、しっかり勝ち切って9大会連続のベスト8入りを決めた。

 24日に行われたグループリーグ第3戦インドネシア戦(○3-1)から中6日で迎えるトーナメント初戦。先発の変更はDF町田浩樹に代わってDF板倉滉が入ったのみで、4試合連続先発のGK鈴木彩艶とMF遠藤航を含む10選手が引き続きスタメン起用された。

 日本はインドネシア戦とは異なって4-2-3-1の立ち位置を取り、4バックは左からDF中山雄太、DF冨安健洋、DF板倉滉、DF毎熊晟矢、ダブルボランチに遠藤とMF旗手怜央。2列目は左からMF中村敬斗、MF久保建英、MF堂安律が並び、1トップは今大会3得点のFW上田綺世が入った。[スタメン&布陣]

 試合はバーレーンが立ち上がりから勢いを見せてきたが、この日の日本は最終ラインが安定。前半5分には左サイドからフリーでクロスを上げられる形となったが、冨安が冷静なヘディングで前に送ると、そこから堂安の単独突破が生まれた。同10分、久保の左CKから上田が強烈なヘディングシュート。GKに阻まれたが、今大会不発のセットプレーから良い形が作れた。

 日本は前半21分、冨安からのパスを受けた中山が斜めに刺し、中村がゴール前に抜け出すも、分厚いバーレーンの守備陣が立ちはだかる。同22分には久保の左CKから波状攻撃を見せたが、ここもシュートにつながらなかった。それでもできるだけ中でつなぎつつ、有効なタイミングで外を使うことで、グループリーグに比べて勢いのある攻撃を見せられていた。

 日本は前半29分、中村のパスミスからカウンターを受け、冨安がつり出されたところでマイナスのパスを入れられると、FWアブドゥラ・ユスフのシュートが枠内を襲うも鈴木が冷静にセーブ。立ち上がりに相手オフサイドで生まれた1対1を止めた場面、プレッシングを縦パスでいなした場面など、落ち着いたプレーでチームを支えた。

 すると前半31分、日本が試合を動かした。冨安を起点としたビルドアップで左を攻め込み、中村から横パスをつないでバイタルエリアを横断すると、高い位置で絞っていた右SBの毎熊がミドルレンジから右足一閃。弾丸シュートは惜しくも左ポストを叩いたが、跳ね返りに反応した堂安が左足で押し込んだ。堂安は昨年11月のW杯2次予選ミャンマー戦以来の得点。国際Aマッチ通算8ゴール目となった。

 ところが日本は前半35分、痛いアクシデント。旗手がプレー中にふくらはぎを痛めて座り込み、急遽ウォーミングアップを始めたMF守田英正が同36分に投入された。その後はバーレーンにボールを握られる時間帯も続いたが、ボールが集まる194cmの長身FWユスフを冨安が完璧に封じ切り、日本は1点リードでハーフタイムに入った。

 後半もファーストチャンスは日本。2分、ゴール正面でドリブルした久保がFKを獲得すると、キッカーの久保のフィードに板倉が合わせたが、ヘディングシュートは枠を外れる。それでも4分、左サイドでボールを奪った久保が斜めのパスを出すと、上田と堂安がお見合いしたが、相手のクリアミスに久保が反応。最後は左足で冷静に突き刺し、2-0とした。久保は昨年11月のW杯2次予選シリア戦以来のゴールで、A代表通算4得点目となった。

 なおも攻める日本は後半17分、毎熊のスルーパスに上田が抜け出し、ゴール前にクロスを送ると、ここに走り込んでいた守田がつなぎ、最後は中村が右足でネットを揺らす。だが、上田の時点でオフサイドがあったとしてゴールは認められない。

 すると日本は後半18分、相手のクロス攻撃に対応した冨安のクリアが高く跳ね上がると、このボールを処理するGK鈴木がパンチングミス。そのまま攻め込まれて左CKを与えてしまい、嫌なムードのまま失点した。MFカミル・アルアスワドのキックをDFサイド・バケルに頭で合わせられ、鈴木が正面で反応したが、またもパンチミス。高く跳ねたボールに鈴木と上田が重なる形となり、鈴木がこぼしたボールがゴールに吸い込まれ、オウンゴールとなった。

 痛い失点を喫した日本は後半23分、中村と久保に代わってMF三笘薫とMF南野拓実を投入。左足首の負傷でグループリーグ3試合を欠場した三笘は初のベンチ入りで、今大会初出場となった。三笘は負傷明けにもかかわらず、立ち上がりから何度もサイドを仕掛け、得意のドリブルで相手に圧力をかけていった。

 すると空気の変わった日本が後半27分、またしても試合を動かした。右サイドを毎熊が駆け上がり、斜めのパスを前線に入れると、受けた上田が巧みな持ち出しで最終ラインを打開。ペナルティエリア右に抜け出し、最後はGKの股を抜く強烈なシュートを突き刺した。上田は2戦連発で今大会4点目。国際Aマッチ通算11点目とした。

 日本は後半35分、堂安と上田を下げてDF町田浩樹とFW浅野拓磨を投入。システムを3-4-2-1に変え、逃げ切り体制に出た。同40分、三笘の鋭い抜け出しから横パスを送り、浅野が走り込むも、足が合わずにシュートを打ち切れない。同アディショナルタイムにも中山のスルーパスに浅野が抜け出したが、1対1のシュートはGKに止められた。

 後半アディショナルタイム5分にはカウンターから3対1の状況を作ったが、南野のクロスに反応した三笘のボレーはミートせず。だが、5バックで安定感を保ち続けた日本は10分間のアディショナルタイムをいなし、そのままタイムアップ。2点リードから痛い失点を喫しながらも、しっかり突き放す堂々の試合運びでベスト8入りを決めた。

 準々決勝は2月3日、イラン対シリアの勝者と対戦する。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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